大会長ご挨拶

第24回大会の大会長をさせていただくことになりました。岡山大会からバトンを引き継ぎ、その後COVID-19が社会を席捲し、激動の日々となっています。一定の制限のある中、皆が新しい生活様式を模索しています。この間学校現場も翻弄されました。失われた教育機会を代替するオンラインでの教育は、急速に進歩し浸透しつつありますが、多くの精神的な疲労も生み出しています。

さてそのような中、本大会のテーマは「学校のメンタルヘルスリテラシー教育を考える ~今、“こころの病” の予防としてできること~」としました。私はもともと地域で保健師として働いていましたが、現場で精神保健における予防の重要性に気づき、大学院に進み精神保健学を学びなおしました。手探りのまま教育現場に予防として心理教育をベースとする「メンタルヘルスリテラシー教育」を取り入れました。しかし20年前の当時には高い壁がありました。同時に賛同してくださる教員や子供らから多く学ぶ機会を得ました。徐々に歩みを進めながら時を経て、今では多くのメンタルヘルスリテラシー教育、学校心理教育、などの名称でプログラムが学校教育にも根付きつつあり、定着しようとしています。COVID-19が大きく生活を感染予防へとシフトさせましたが、メンタルヘルスの視点は充分ではありません。新しい生活様式にはメンタルヘルスにおける予防、そして教育の視点が必要になってくると感じます。さらに新学習指導要領では心の病を教えることも予定されています。大会ではそのような新たな予防教育のあり方なども話し合えればと思います。

また本大会は学会として初めてのオンライン開催をすることとなります。静岡は自然豊かな良い地域です。本当なら静岡に来ていただいて地域を肌で感じてもらい、生身の交流が行われることを期待していたのですが、非常に残念でなりません。しかしこれも一つの好機ととらえて、遠くだと参加しにくかった方々も参加いただける大会にしたいと思います。オンラインではありますが、画面越しに静岡の風を少し感じながらご参加ください。また静岡には改めてお越しください。なれない運営ではありますが、多くの参加者と交流ができることを心待ちにしております。

大会長 篁宗一