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シンポジウム2「地域精神保健活動の可能性」

本シンポジウムでは、「地域精神保健活動の可能性」のテーマのもと、“障害や問題を抱えている人が地域で暮らしやすくなるためには何が必要か”に焦点を当て、 本人のみならず、周辺環境ひいては社会に対するアプローチを視野に含めて、それぞれ異なる活動を展開している3人のシンポジストからの話題提起をもとに、様々な視点から考える機会としたい。

小松氏からは、1985年の開設準備以降、新宿区での福祉ホームや就労センターを中心に地域精神保健活動を展開してきた「かがやき会」の取り組みやそれを支える理念を中心にお話いただく。かがやき会は、“当事者がその人らしく過ごせる”可能性を感じて、 障害や問題を持つ人たちが地域社会とのつながりを持つことのできる「場」を大事にしながら活動を展開してきた。シンポジウムでは、障害や問題をもつ人たちにとっても暮らしやすい社会について視点を広げてご報告いただく予定である。

水野氏からは、「学校・社会不適応を起こした若者たちに対する支援のあり方~秋田県長信田の森の実践から~」の演題でお話いただく。 2001年に秋田県の自然豊かな地に開院した「長信田の森心療クリニック」では、主に学校・社会不適応を起こした若者たちの支援を行なってきている。これまでの過程で、本人に対する治療・教育的かかわりは勿論だが、家族や学校等関係機関に対し、 共通理解に基づいた連携体制の構築が不可欠であったと考察されている。シンポジウムでは、実践を振り返り、目的を共有した上で積極的に連携を求めた結果、地域の理解が深まり始めている現状をご報告いただく予定である。

贄川からは、2007年に千葉県市川市を拠点として誕生した「地域精神保健福祉機構(コンボ)」の取り組みから、 障害を持っていても本人が希望する地域での暮らしを実現するために必要な視点についてお話する。コンボでは、定期刊行物(こころの元気+)やイベントを通じて、 精神障害をもつ人たちやその家族、専門家が相互に声を発しながら体験・情報を共有し、当事者の「リカバリー」を促進できるようなあり方を問い続けている。 こうした活動が当事者や家族、専門家、社会にどのような影響を及ぼすのかという視点で報告をする予定で ある。

贄川 信幸



シンポジスト:
司会:
Psilocybe :)