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大会長講演「援助のコミュニケーション」

心への援助のプロセスを分析してみると、お互いの関係性やニーズ、個性によって、さまざまなパターンが見られます。 援助を求める側と提供する側の意識や経験の組み合わせによって、同じ言動でもその効果は異なってきます。
援助をする側は、まず表情、態度などの非言語レベルで安心できる関係を形成し、 次に言葉の力(優しい言葉・気持ちの伝達・明確化・ユーモア・自己開示・助言・教示など)によって、相手の問題が解決するように関わります。 非言語レベルで共存し、次に言葉のやり取りで影響し合いながら、共に行動することが効果的な場合も多くあります。
しかし、コミュニケーションは良くも悪くもお互いの気持ちに変化を与えるため、意図に反して逆効果を生じさせてしまうことがあります。 どのようなケースでそうなるのかを理解するには、どんな言葉に対してどのような思考と感情が反応して言動が生じるのかという、お互いの認知行動パターンの傾向を知ることが重要です。
援助行動の具体的な場面を映画のシーンで示しながら、カウンセリングのコミュニケーションを中心に、その効果と多様性を説明し、援助の関わりについて概観したいと思います。

鉅鹿(おおが)健吉



【略歴】
1946年生まれ。東京大学医学部保健学科卒業後、大学院で精神衛生学を専攻。 保健学博士。1978年から東京農工大学保健センターにカウンセラーとして勤務。 1992年から産業カウンセラーとして独立し、千葉と茨城で活動をする。 2001年から国立看護大学校で心理学・人間関係論を担当。
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