薬が減った

God dag (ゴデー)!というわけで、デンマークからの更新です。こういうエントリーをデンマークからアップするあたり、腹が立つほどスタイリッシュなシロシベです。いつもお世話になっております。ありがとうございます。

この論文は、シロシベとして委託を受けたお仕事としては初めての論文です。ACTの利用者さんへの処方量が減った、というシンプルな論文です。1年以上前ですが、クロルプロマジン換算について調べるところから始まったお仕事です。

精神医療が製薬業界のマーケティングに支配されつつあるんじゃないかとか、そうでもないとか、いろいろ言われている状況に一石を投じるような、そうでもないような、まあ、あまり何も言ってない論文ですが、まあでも、薬の飲み過ぎはよくないんじゃないか、他に方法があるんじゃないか、という話です。

謝辞のところに著者の役割分担が書いてありますが、

NS and KH planned research. NS and MT acquired data. TS analyzed, interpreted data, and drafted the manuscript. JI managed the research project. All the authors read and approved the final manuscript.

TSというのが弊社の社長で、データの分析と解釈と原稿のドラフトを書いた、という役割です。シロシベらしいお仕事です。社長に「*」がついています。コレスポンディング社長です。

あと、この論文、Creative Commons (CC BY-NC 3.0) ライセンスで、コピー、再配布、じゃんじゃんしてください、という著作権の形です。もちろんオープンアクセスです。オープンアクセスの論文、著者が出版にかかる費用を負担することになって、大きな出版社だと3000米ドルとかかかってしまうのですが、このUAEに本社をおく Bentham という出版社の場合は800米ドルと良心的。今の時代、インパクトファクターが高いことよりも、オープンアクセスであることのほうが、社会的インパクトにつながりやすいことは言うまでもありません。

ついでなので語っておきます。通例、よりインパクトファクターの高い雑誌での掲載が目指され、高い雑誌はそうでない雑誌より「大きな業績」であると見なされます。まあ、分かりやすい指標としてはいいと思いますし、別に文句を言うわけではありませんが、そういう分かりやすい指標で高い評価を受けることを目的とすることは、およそ知的な人のすることではなく、何のために論文を書いているのかちゃんと考え直した方がいいのではないと思います。「そうは言うけど食べていくためにポストが必要、ポストを得るためには業績が…。」という考え方もあるのかもしれません。ポストなんてなくても研究はできるし、経済的に豊かな生活がしたいなら研究者じゃない職業を探したほうが賢いと思います。ということが言いたい。

とまあ、関係ない話ばっかりですが、引き続きどうぞよろしくお願いいたします。

Satake, N., Hazama, K., Sono, T., Takahashi, M., & Ito, J. (2011). Changes in Antipsychotic Medication in Clients of Assertive Community Treatment in Japan: A One-Year Follow Up Clinical Practice & Epidemiology in Mental Health, 7, 1-3. (PubMed, PDFへの直リンク)

という論文です。

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