その後も薬の量が減ったままだった

2011年2月に「薬が減った」と書いていましたが、その後も薬の量が減ったままだった、という学会ポスター発表でした。2011年の9月18日~22日にブエノスアイレスで開催された世界精神医学会のポスター発表。僕も行きたかった。ポスター制作、シロシベにオーダーすると学会の規定に合わせてデザインして布に印刷して納品します。ポスター作るのって、てぬぐいとかTシャツ作るのと似ててなんだか楽しいですね。

で、話はズレるけど、薬について思うこと。製薬会社の人たちがどういう動機で仕事をするのか、ってことを想像すると、きっと、薬の力で多くの人を苦しみから開放したい、多くの人に健康になってもらいたい、とかっていうことなんじゃないのかな、と思います。それは素晴らしいことで、実際に実績もたくさんあって、多くの人の幸福に貢献してると思うんです。だけど、これをもっと進めて、もっと多くの人に使ってほしい、顧客を増やしたい、需要を増やしたい、っていうことになってくると、それはつまり、患者を増やしたい、病気を増やしたい、病気の期間を長くしたい、ということになって、なんていうか、簡単に本末転倒しちゃうと思うんです。健康になってもらうために病気を増やさないといけない、みたいな。そんなバカな、っていう感じもするけど、実際にそうなってしまってる部分、あると思うんですねぇ。。。

また話はズレるけど、電力会社の「社会のみなさまに安心して電気をお使いいただくことで、豊かな生活と快適な環境の実現に貢献してまいります。」これも本当その通りで、潤沢な電気のない生活なんて考えられない、っていうくらいにお世話になってるわけですが、もっと使ってもっと使ってもっと必要だよね、ってやってきた結果が、社会のみなさまにものすごい不安と過酷な環境がもたらされてしまった、っていうことなんだと思うんです。

誰が悪いとか、これからどうすればいいとか、よく分からないけど、誰が一番重要な「当事者」なのかって考えると、というか考えるまでもなく、薬を飲んでる人であって、電気を使っている人であって、つまりは「私たち」なので、なんというか、自分の頭で考えて自分の体で感じていかないといけないですね。

ポスターと全然関係ない話でした。。。

Satake, N., Sono, T., & Ito, J. (2011). Antipsychotic medication change in patients receiving assertive community treatment in Japan: two-year follow-up. Poster presented at The 15th World Congress of Psychiatry, Buenos Aires, Argentina.

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2 thoughts on “その後も薬の量が減ったままだった

  1. 本末転倒・・・うーん、ブログを拝見して、すごく考えさせられました。「私たち」は、本当に、いま起きている現象に対して、自分のこととして、いろいろなことを覚悟して、考えたり、感じたりしていかないといけないと思いました。私はその覚悟が足りない一人です。いつも興味深くブログ読んでます。

  2. 本末転倒・・・うーん、ブログを拝見して、すごく考えさせられました。「私たち」は、本当に、いま起きている現象に対して、自分のこととして、いろいろなことを覚悟して、考えたり、感じたりしていかないといけないと思いました。私はその覚悟が足りない一人です。いつも興味深くブログ読んでます。

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