細胞でもピアサポートでもないIPS、Individual Placement and Support の論文がやっと出た。調査は2006年なので僕はまだ東京にいた頃だけど、調査の実施自体には直接関わってなくて、滋賀に移ってからデータ分析以降の部分のお手伝いをさせてもらってたものだ。
精神障害を持つ人たちへの就労支援プログラムであるIPS を日本でやってみたところ、6ヶ月で、競争的就労への就労率、就労時間、給与などの好ましい結果が得られた、という内容。就労支援をやってみたら上手くいった、というだけの当たり前の内容なのだけど、こうしてわざわざ論文にしないといけないのは、精神障害を持つ人が普通の仕事に就くことなんてあり得ない、という過去の(というか今も残る)考え方があるからだし、実際に就労することが簡単ではない状況があるから。そうじゃないんだ、ということを説得力のある形で示すとても大事な論文だ。
Oshima, I., Sono, T., Bond, G. R., Nishio, M., & Ito, J. (2014). A randomized controlled trial of individual placement and support in Japan. Psychiatr Rehabil J, 37(2), 137-143. doi: 10.1037/prj0000085 (PubMed, APA)
IPS就労支援=厚生労働支援事業=SAT(精神医療=職場)関係体制